そごうソフトウェア研究所

SOA、開発プロセス、ITアーキテクチャなどについて書いています。Twitterやってます@rsogo

SOAが終わったのかどうか、に関する自分の考え


SOA is Dead; Long Live Servicesという興味深いエントリを同僚に教えてもらいました。

趣旨としては、

SOAというキーワードは終わった。むしろビジネスユーザにはコスト、期間が余計にかかるというイメージをもたれており、避けるべきキーワードになってきている。しかし、サービスという考え方(アーキテクチャ)は今後も残るだろう。Serviceという考え方に基づいているSaaS、Cloud、BPM、MashupというSOAの子孫によって。

ということだと思いますが、タイトルは過激ではありますが、SOAというキーワードが終わりつつあるという内容は、自分もほぼ同意です。


ただ一点、上記のエントリでは触れられていませんが、SaaSやCloudのようなシステムでなくとも、ある程度の規模の企業ではあれば、複数(場合によっては数十個の!)のシステムを保有し、それらのシステムはなんらかの連携を行っているわけですし、利用者は複数のシステムを渡り歩いて日々の業務を行っているわけで、そういった普通のシステム開発の場面においてもSOAに含まれる設計の考え方(言い換えれば、これまでに考えられてきたアーキテクチャで良い物をまとめたもの)は十分有効だと考えています。

「全社でSOAを採用して何とかするのだ!どんなアプリが乗るか知らんが、とりあえず次世代SOA基盤を作ろう」というよりは、「この業務フローを実現するために、このシステムと、あのシステムを途中で呼び出すんだけど、直接呼び出すんじゃなくて、サービスバスを介して呼び出そう。フローの部分はBPELで定義しようね。」という考え方がしっくり来ます。


どちらかというと、上記エントリに答える形でポストされているSOA ain’t dead but it certainly is transformingで述べられている「Vendor driven hype、Top down SOA evangelising、Enterprise Governance of SOAの3つのSOAのやり方は死んでいるか、死に掛かっている」に近いかも知れません。


また、mark-wadaさんの一連のエントリ、SOAは終ったのか振り向けばSOAにも近い感覚があります。


たしかに、マーケティング的な側面も含め、SOAというキーワードに含まれる要素が多すぎて、技術者にはもともと人気の低い言葉ですが、SOAの中から設計の考え方を切り出した良い用語ってないですかね。
BPMでは一面しかとらえていないし、EAともちょっとニュアンスが違う気がします。。。