そごうソフトウェア研究所

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BPELを使う理由 その3

その1その2ではテクニカルな側面からなぜBPELを使うのかということを
まとめてみました。

今回はBPELがBPM(Business Process Management)のための言語であるという側面から考えてみたいと思います。


まず、BPMという手法は、つぎのような段階をサイクリックに繰り返します。
BPRを行い、再構築されたプロセスに対して検証を行うという手順です。

1.プロセス分析、評価
2.プロセス設計
3.プロセス実装
4.プロセス実行&プロセスモニタリング

このなかでBPELが活躍するところは3、4です。


2はBPELというよりは設計ツールを使用して、視覚的にプロセスの
流れを設計し、その結果をBPELに出力することになるでしょう。
また、可能であれば、この段階でシュミレーションを行い、
問題点があれば、1に戻ります。


3では開発ツールを使用して2で自動生成したものの中身を
実装していきます。


4ではBPELエンジン上でプロセスが実行されます。
その際に、プロセスの特定の部分でいつ、何がその部分を通過したか
という情報を記録します。

たとえば承認システムでマネージャーによる承認の部分で
記録をとっているとすると、ある特定のマネージャの場合、
申請から承認までのリードタイムが長い、という判断をします。

プロセス監視はBPELの仕組みではありませんが、商用ミドルウェアでは
その仕組みが用意されているものもあります。


これらの手順をBPELを使用することで、技術的にサポートすることはできます。
しかし、BPMとは技術やツールの名前ではなく、あくまでも業務改善の
手段ですので、主役は企業、経営者、業務担当者、業務系コンサルでしょう。