そごうソフトウェア研究所

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内部統制とワークフローやBPM

先日、お客様先に内部統制のお話しを聞きに行くというということがあり、急ぎ、内部統制について、書籍や、公開されている情報を調べて準備しました。


内部統制というと、エンロン事件等のイメージがあり、セキュリティだとか監査といったことだろうと、思ってあまりこれまで関わっていなかったのですが、これは一面しか言っていなかったようです。

例えば、金融庁のサイトにある「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」によると、

内部統制は、基本的に、企業等の4つの目的(1.業務の有効性及び効率性、2.財務報告の信頼性、3.事業活動に関わる法令等の遵守、4.資産の保全)の達成のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、6つの基本的要素(1.統制環境、2.リスクの評価と対応、3.統制活動、4.情報と伝達、5.モニタリング、6.ITへの対応)から構成される。

とあり、前の認識では、4つの目的のうち、「財務報告の信頼性」と「事業活動に関わる法令等の遵守」しか言っていないことになります。
目的の「業務の有効性及び効率性」、基本的要素の「情報と伝達」、「モニタリング」となると、俄然、身近に感じます。

また、書籍「内部統制マネジメント―コーポレートガバナンスを支える仕組みと運用」では、ワークフローシステムの4つの効果として次のものが挙げられています。

  1. 業務時間の短縮
  2. 業務管理の効率化
  3. 業務手順の明確化
  4. BPR


それぞれをちょっと見ていくと、、、

1.業務時間の短縮

例えば紙の帳票を回していたときは次の様なボトルネックがあると挙げています。
 起票時/回覧時/滞留/紛失
 
例えば、回覧時には紙、人の移動が発生して、コストと時間がかかりますし、回覧箱に申請書が山と積まれるわけです。ただし、山と積まれるのはワークフローを導入したら解決するとは限りませんが、少なくとも滞留しているということは分かります。これは、次の業務管理の効率化とも関連します。
 
 

2.業務管理の効率化

進捗を管理しやすいことを挙げていました。
これは確かにワークフローが効きそうです。業務時間の短縮と合わせて、「業務の有効性及び効率性」をサポートしそうです。

3.業務手順の明確化

作業手順が明確になることを挙げています。
業務プロセスを記述したりするわけですから、詳細度は様々でしょうが業務手順はある程度明確にできるでしょう。これは、目的の「財務報告の信頼性」と「事業活動に関わる法令等の遵守」をサポートしそうです。

4.BPR

順番等の入れ替えが容易、また時間の計測が可能ということを挙げています。
これも大いにBPMだとか、業務改善だとかBPMと関係ありそうです。また、現状をそのままワークフロー化するのではなく、業務の見直しも合わせてやりましょう、と書いてあります。

 
この4つの効用以外にも、自動化によって効率性があがったり、人による改ざんリスクの排除なども挙げて良いと思います。


ということで、食わず嫌いはやめて色々勉強しないとだめだと思った次第です。
 
 
P.S.
まあ、お客様先に行くとリスク管理のお話しで、内部統制の話しではなかったわけですが。。。