そごうソフトウェア研究所

SOA、開発プロセス、ITアーキテクチャなどについて書いています。Twitterやってます@rsogo

日本の企業でのMEAP(Mobile Enterprise Application Platform)のニーズとは?

先日はモバイルアプリ向けプラットフォーム、MEAP(Mobile Enterprise Application Platform)とは何なのか。というタイトルでMEAPの概要を書きました。

今回は、日本のマーケットでのMEAPのニーズについて書きたいと思います。

f:id:begirama:20090605005119j:plain

企業マーケットにおいてこれまではモバイル向けのアプリは
さくっと低コスト、短期間で作成したいというニーズが高い状態でした。
理由としてはこのようなものがあったと思います。

  • 他のシステムから独立していることが多い
  • 既存の業務システムに比べて機能が少ない

例えば、カタログやデモを見せるだけのアプリや、
入力された情報に対してアプリの中で完結して結果を返すだけのアプリが該当します。


ところが、近年、スマートデバイスを一通り導入した企業では、
営業部門などの利用部門を中心にもっとコアな業務で
スマートデバイスでやりたいという要望があがっています。


その傾向を、MEAPの3つのメリットごとに整理してみると、

アプリに対する他システム連携のニーズ

既存の社内システムのデータをスマートデバイスから見る、
スマートデバイスから入力したデータを社内のシステムに
流し込むには、データの連係が必要になります。


社内システムはWebサービスのインターフェイスを持っているものもあれば、
ERPパッケージや、ホストのようなプロプライエタリなインターフェイスしか
ないものも存在するため、個別に開発するのは大変です。


また、社内システムに接続することから、これまで以上の
セキュリティが求められます。


共通機能を提供するニーズ

企業が持っているアプリが増えてきています。
ある企業ではプロダクトラインごとにアプリがあるので、
数十個のアプリが存在します。


これまでのスマートデバイスの導入期は、標準化よりもスピードが求められますし、
ベストプラクティスも無い状態でした。


しかし、アプリの数が増えてきて、導入期から展開期に入ると、
同じような機能や、画面展開の共通化をしたくなってきます。

コストも下げたい。

そのような時にモバイルアプリに必要な共通機能を標準化して
提供するニーズは非常に高いと思います。


また、認証や、データの暗号化を共通で提供することで、
個々のアプリ開発プロジェクトに品質が依存せず、
一定のセキュリティが保たれるというメリットもあります。
これもセキュリティに関するルールが厳しい日本の企業のニーズにあっています。


マルチデバイス対応のニーズ

こちらはどうでしょうか?
日本の場合は端末を社員に配ることが多く、個人の端末から利用を
許可している企業もメールと、Webブラウザからのアクセスだけだったりするので、
社内向けのアプリではあまりマルチデバイス対応のニーズは多くないように思います。



ということで、他システム連携、モバイルアプリ向けの共通機能の
提供という点ではMEAPのニーズは今後、増えてくると思います。

後は、クラウドベースのBaaSを使うのか、社内にMEAPを構えるのか、
どのタイミングで投資をするのかとうのが検討ポイントでしょう。